MGC Police Positive
フォーカスが合っていないと言われそうだが、撮ったのは箱にあるMGCのマークで、本体が付録なのである。
50年ほど前に製造された MGC Police Positive 。輸出名は Police Agent Special だ。
いくら大昔といってもMGCは商標権に一応気を遣ったようで、Detective Special が Defensive Special 、銃身の長いモデルは Police Positive が Agent Special になっている。
CMC 或いはそれを輸出入していた会社はあまりそういうことを気にしなかったらしく、外箱に大きくCOLTなどと書いてある。
全体的にエッジが立っているし、シリアルナンバーまで付いているから、この固体は初期製造品のようだ。
前の持ち主もたぶん私と同じようなタイプで、買ってからいつも箱に入ったまま保存していたらしく色がほとんど褪めていない。作動させたこともないようでハンマーノーズが変形していなかった。しかし、今日久しぶり動かしてみた時にトリガースプリングを折ってしまったようだ。幸い交換部品があるから、これはいつか気の向いた日に修理しようと思う。
50年前といえば1964年。私のブログを読んでいる人の大半はその頃生まれてもいなかったのだろう。
当時は1ドル=360円であり、このモデルガンは15ドルか20ドルで売られていたはずだ。あの頃としては結構高い品物で、実際には玩具というより壁に飾る装飾品という扱いだったように思える。実銃を壁に飾っておくと子供が持ち出した場合事件になるし、盗難にあったときも本物もどきであるなら実害が少ない。
アメリカでは1963年まで通販でピストルが買えたことを、読者の皆さんは知っているだろうか?
今でも通販で銃を購入することはできるのだが、それは必ず銃砲店宛てに品物を送ってそこで書類手続きなどを済ませなければならない。それが昔は必要書類を送るとそのまま自宅にハンドガンが届いたのである。長物は1968年まで通販で自宅に届いた。
モデルガンも実銃も、日本の中高年マニアが好きそうなものをたくさん所持している。
しかし、最近はどうせ誰の目にも触れることがないのなら、もう持ち続けていても意味がないと考え始めた。趣味のものは、人と語り合ったり現物を見てあれこれ知識や情報を交換できたりしてこそ楽しいはずなのに、それがまったく叶わないのなら、鑑賞というよりただの感傷になってしまってもの悲しい。
写真を撮ることに楽しみを感じない私は、せっかくの貴重品を持っていてもゴミ同然の写真しか載せられないことに少し虚しさを感じてきた。